自動運転システム安全性論証に基づく
「シナリオベース開発プロセス」を実現
自動運転車両の実用化のためには、搭載される自動運転システムの安全性を担保することが最も重要と言えます。
現状では、自動運転システムの安全性を担保するためには膨大な実車走行テストが行われていますが、そのような走行テストを繰り返したとしても、あらゆる走行シーンを網羅したシステムの保証はむずかしいという課題があります。
そのような課題を踏まえて安全性論証体系・安全性評価手法の検討が国内外に進められており、それらの検討結果を実際に反映して、自動運転システムの安全性を担保していく仕組みの実現が求められています。
自動運転システムの性能限界によって事故につながる可能性を分析するため、シナリオの構成要素を定義し、シナリオをKnown/UnknownとSafe/Unsafeの軸で4つのカテゴリに分類し、シナリオ検証によりKnownかつSafe領域を広げるための活動を求めている。
自動運転システムの処理に影響を及ぼす交通外乱シナリオを整理し提示している。
“AD Safety Assurance Methodology”, JAMA AD safety Assurance WG, chair Toyota Motor Corporation Satoshi Taniguchi, JARI AD safety standardization group, manager Jacobo Antona Makoshi PhD., 19.06.12, HEADSTART Expert Network Worksho
自動運転システム安全性評価手法の策定を進めている「PEGASUSプロジェクト」では次世代自動車を進化・成長させる開発プロセスとして、従来のV字プロセスにおける評価ループ群に加えて、量産・市販後の製品に関わる事故データや交通環境データをフィードバックするビッグループが必要だと提唱されています。車載ソフトウェアのコネクティッドOTA更新機構と相まって、自動車産業における新たなビジネスモデルが現れることも期待されます。
出所:自動走行ビジネス検討会「自動走行の実現に向けた取組方針」 報告書概要 Version2.0, 平成30年3月30日 自動走行ビジネス検討会
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20180330002_03.pdf
「GARDEN」は国内外で検討されている自動運転システム安全性論証に基づき、自動運転システムが直面する外的要因を構造化したシナリオを生成して、自動運転システムの有効かつ効率的なシミュレーション検証を実現する「シナリオベース開発プロセス」を推進することで、自動運転システムの実用化に貢献する研究開発プロジェクトです。
研究開発プロジェクトの成果として、オープンソース版自動運転システム検証基盤ソフトウェア「GARDEN ScenarioPlatform」をリリースしており、ソースの無償公開を通じて得られた知見やお客様の声を具現化したビジネス版 「ZIPC GARDEN」をリリースしました。また、オープンソース版についてはバージョンアップを継続することでさらにお客様に貢献する製品づくりに活かしてまいります。
現状では、自動運転システム(ADS)の実用化に向けた前段階として「先進安全自動車」(ASV)の普及が進んでいます。また一方で、普及が始まっている電気自動車(EV)の性能向上が求められています。GARDENプロジェクトは「シナリオベース開発プロセス」の推進を通じてこれらの分野でも貢献してまいります。そして、自動運転システムの実用化および、市場走行における事故データ等の各種交通データの活用によって社会課題の解決を目指します。
オープンソース版自動運転システム検証基盤ソフトウェア「GARDEN ScenarioPlatform」は、シナリオベース開発フレームワークに基づき、自動運転ソフトウェアのシミュレータにて実行可能なシナリオを生成します。自動運転ソフトウェア開発を進めている自動車メーカー・サプライヤ等の関係者に本オープンソースを広く活用いただくことで、自動運転システムの開発促進および関連MaaSビジネスの発展に貢献します。
今後も「GARDEN ScenarioPlatform」は実験的な新機能を適宜アップデートしたバージョンアップ版をリリース予定です。
本OSSの初回バージョンである「GARDEN ScenarioPlatform acacia」(アカシア)のソースコードをGitHubリポジトリにて無償公開し、NewBSDライセンスに基づき利用許諾します。利用者はソースコードに添付のライセンス条項に同意の上で、利用・改修等を行うことができます。
ソースコードの入手および利用手順のご確認・技術的なお問い合わせは、以下Webサイトよりお願い致します。
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